築地がついに豊洲市場に移転!

2018.10.01

築地がついに豊洲市場に移転!

From 池田 将義
毎度ありがとうございます。
先日から築地市場の移転についてのお問い合わせを
たくさん頂きます。
10月11日の移転に向けて急ピッチに動き出していますね。
テレビでも不安を煽るようなニュースが多いので
ご心配の方もいるのではないでしょうか。
そこで築地市場、大田市場について少し書かせて頂きました。
 

 
移転は大がかりで大変だとは思いますが
2020年東京オリンピックのためにも是非成功させてもらいたいですね。
心ばかり応援しています(^^)
 
 
 
 

築地市場の歴史と文化について

築地市場についてはご存知のかたも多くいると思いますが
都内にある中央卸売市場の中でも
最も歴史のある市場です。
戦前の昭和10年に開場した市場で
日本橋にあった魚河岸と京橋にあった青物市場が合併しました。
ちなみに、鮮魚の取扱高は日本1位、世界一とも言われています。
青果物の品質、等級では日本一といわれております。
下記の表を見ると荷受会社である「東京シティ青果」は取扱金額で5位となっていますね。

こちらは荷受け会社の取扱高ランキングです。
(簡単に言ってしまうと市場のランキング)
細かい順位はさて置き、1、3、4、5位と首都圏の市場が並んでいるのをみて
凄いなっと思ってしまいますね(^^)
(参考までに1位の東京青果は大田市場の荷受け会社です。)
 
詳しくは参照元の千住市場さんのページをごらん下さい
 

築地市場の面積が小さいのに番付上位の理由

面積では圧倒的に小さい築地市場の青果部ですが
取扱高は他市場を上回る理由があります。
荷受け会社は5位の東京シティ青果です。
普通に考えると、野菜は魚と比べて容積が大きく
容積対比の売上だと面積の大きい市場が圧倒的に有利だと思いませんか??
築地市場の一番の強みは小さくて単価の高い「妻物」が強いということなのです。
 
例えば、、、キャベツ
1玉1kgと少し、容積はバレーボール1個分ですよね。(値段は1個200円程度)
 

こちらの野菜は木の芽といいます。よく、鰻や筍の煮物に乗っている小さい葉っぱです。
1シートの大きさはiphoneと同じくらいです。(値段は1枚800円〜1000円)

こんな風に使われているのを見たことありませんか???
狭い立地を逆手に取り、「キャベツ」よりも「木の芽」を流通させる。
少し極端な例えですが築地の強みはここにあります。
 

築地市場には買出し文化がある

上の写真のような買出しに来ている料理人さんを見たことはありませんか??
主に寿司屋さんが多いのですが、魚を自分の目で見て買いたいというこだわりの職人さん達は
魚河岸を見たあとには青果棟に立ち寄りついでに買っていく傾向にあります。
そのため、小さくて単価の張るこだわり野菜の多くは「価値のわかる職人」の集まる築地市場に
集まる傾向にあります。
品物にもよりますが、良い農協は築地に出荷する傾向にあります。
そのため、少量だけれどもトビッキリの品物は築地市場がNO1ということになります。

築地市場で安く仕入れる方法のヒント

これも非常によく頂く質問ですが、築地市場は良いものを高く売る市場です。
そのため価格は高い、、、というか日本で一番高い市場になります。
良いものを集めるには良いお値段を出す必要があるため、
高い値段を出すか常に大量を流通させてプライオリティを上げさせる以外の方法は無いです。
と言っても人対人の商売です。
通ってたくさん買って信頼関係を作れば安く買うことも出来るはず。
特に早い時間に狙って買いに行くよりも、8時過ぎに残っているものを安く買っていくのも
仕入れのコツかもしれませんね(^^)

豊洲市場の心配なところ

稼働しなくては分からない問題もあると思います。
僕が見た中で少しだけ心配なのは
①スロープの角度が急なことと
②青果棟が鮮魚棟から離れてしまうこと
③エレベーター使い勝手が悪そうなこと
実際稼働してみないと分からないので
今の時点では分かりませんが事故がおきないでくれれば
衛生環境は大幅に改善されるので
期待したいですね。
この先、環状2号という新しい道路も開通しますし
橋という制約がなくなれば都心に向けた物流面では
非常に有利に働くことが予想されます。
 

TUSUKASAが大田市場で取引をしている理由

弊社では東京商組築地支所という組合に加入しておりますので
築地市場でも仕入れることができる八百屋です。
しかし、大田市場を仕入れ拠点にしている理由があるのです。
築地は小さくて単価の高い野菜の品揃えは最強なのですが
飲食店でよく使われるお野菜の多くはあまり強くないからなのです。
飲食店で使われるお野菜のイメージって
キャベツ、大根、レタス、トマト、白菜、長ねぎ、、、、、
面積の小さい築地では大量の流通が難しく、荷受け会社が3社ある大田市場が
最も価格、安定供給に貢献してくれるからです。

大田市場は日本で一番青果流通の多い卸売市場です。

上の方の番付でも「東京青果」という卸売会社は大田市場の会社ですが
これ以外にも「荏原青果」「神田青果」と荷受け会社が3社入っている市場は大田市場だけです。
この市場は圧倒的な面積と流通量があるので、産地も量を捌くには欠かすことができない市場です。
ただ、築地市場のような細かい品目に関しては弱い。
どの市場にも特色があり、強みがあります。
と言っても、「野菜」という商品を「人が届ける」と考えると
近所の八百屋さんが一番仕入れのメリットがあるように感じます。
間もなく移転です。
移転直後には場内に入ってレポートさせて頂きますね。
野菜の仕入れやその他飲食店のお悩み事のよろぞ相談やっています(^^)
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